浅草神社さんとの共催事業「暮らしの手仕事の会」、天然酵母の手作りパンと酵母のお話会でした。

発酵について知りたい、天然酵母のパンを作ってみたい、などの関心を持った方が集まりました。

天然酵母パン研究家の平野しのぶさん(左)には、レーズンとレモン皮、カカオとショウガ、の2種類の天然酵母パンを焼いてきていただき、試食しながらの講義となりました。

今回のパンの酵母は、レーズンから作ったもの(右)。

平野さんは、仕事と育児の忙しい日常のなかでパンづくりを生活に取り入れるために工夫し、天然酵母は風味づけの役割と考え、ふくらますためにはイーストを使うことにしているそうです。

週1回程度焼きつづけて5年、「生活をパンづくりに合わせるのは無理。パンづくりを生活に合わせる」と考えて、夜に仕込みをし、夜間に寝かして置くようなリズムを作りました。

 

右がレーズンの酵母液、左はイーストと粉を入れたもの。

酵母は、果物や野菜のとくに皮についており、平野さんはレーズンのほかに甘夏、イチゴのヘタ、レモンなどを酵母液を作るために使っています。izumiさんによると、酵母は糖分をエサにしてアルコールや炭酸ガスを出すので、そのガスの力を借りてパンを膨らますわけです。

izumiさんのお話は、「発酵と腐敗の違いは何だと思いますか」という問いから進みました。要は、菌がやっていることは同じで人間にとって良いものか悪いものかで捉え方が異なるだけのこと。

そして、「菌の存在が発見されたのは明治になってからですが、菌のクオリティコントロールは平安時代からやっていたんです、中国から奈良、平安時代には発酵食が入ってきており、平安時代には『たねこうじや』といういわばバイオビジネスがあったんですよ。いまも日本には6軒のたねこうじ屋さんがあります」。

発酵食というと「身体によい」といった視点で語られがちですが、もっと奥深い生活を継続していくための智恵が含まれているようです。izumiさんは「天然酵母は沼です」と表現していました。「沼とは、ゴールがないという意味です。このブドウの酵母液をつぎ足しつぎ足し使いつづける、といった意味でも、正解がなくて自分の感覚で広がっていくといった意味でも」。

みなさんからの質問を受けて、「暮らしの手仕事の会で、いずれ、米粉の話もしましょう」という話題で、なごやかに終了しました。